疾風勁草

子曰く、歳寒くして然る後に松柏の凋むに後るるを知る

20190810-0811_長野・松本

kamikami、青春18きっぷデビュー。


長野

町田駅を八王子方面の横浜線始発で出発、怒濤のロングシート区間を含めて6時間、長野駅に到着したのは午前11時頃。hy標高の高い長野市も駅前はこの時点で35度という猛暑日


最初の目的地は善光寺。牛に引かれてないけど善光寺参り。創建は崇仏論争のあった7世紀、飛鳥時代。そのせいか無宗派の寺院らしい。関東でいうと浅草寺新勝寺に並ぶ規模だが、それより古い。本堂は江戸時代に再建されたもので国宝。



長野駅から松代方面に向かうバスの道中にある川中島古戦場。主戦場はもう少し離れた場所にあるが、ちょうど武田軍が陣を構えた場所らしい。銅像の他に八幡神社や公園があるちょっとした観光地扱いだった。




廃線になった長野電鉄屋代線の旧松代駅舎。大正時代の駅舎は今ではバスやタクシーの待合所になっている。当時にしてみればかなりモダンだったそうな。


ここ松代城川中島の合戦で攻防戦が繰り広げられた海津城を改名した城。真田昌幸の長男で信繁(幸村)の兄として知られる真田信之が藩主となって以降、松代藩を真田家が代々受け継ぐことになった。他の城の石垣と比べて石の大きさが不揃いなのに全体として上手くバランスが取れていて絶妙な構えの松代城の石垣の特徴。





城下町一帯は真田家の御殿を始め、当時の面影がよく残っている。一般公開しているところも結構多かった。

それから写真は撮れなかったけど、真田家宝物館の展示はなかなか保存状態が良くて圧巻だった。とりわけ刀剣の管理の丁重さに感銘。江戸時代の刀の茎の六文銭がしっかり残っていたのがスゴい。昌幸公や信繁公よりも信之公が好きで、好きな戦国時代の人物の代表格である私にとっては感無量。



幕末期に藩主真田幸貫と共に海防の重要性を訴えて幕府に抜擢された松代の偉人・佐久間象山を祀る象山神社。地元では「しょうざん」よりも「ぞうざん」と読む傾向にあるらしい。




某新世紀アニメの第二新東京市……。じゃなくて松代大本営の地下壕跡。第二次大戦末期、本当にここに大本営を移すつもりだったらしい。朝鮮人を徴用して掘削させたためか、朝鮮人の犠牲者の慰霊碑も入口側にある。中は真夏でも涼しい湿った洞窟でちょっとした探検だった。コウモリもいた。





松本

所変わって長野市とは犬猿の仲で知られる長野県第二の都市、松本市。宿泊先は松本駅東口を出てすぐ近くのビジネスホテル。

夕食は駅ビルにあるホテルの系列店。くるみそば、馬刺し、日本酒(「大雪渓」という地酒)という松本名物の三位一体に舌鼓。特に馬刺しは超久々なのでテンションが上がった。くるみ入りつゆの香ばしさと馬刺しの食感と味わいが、日本酒とマッチしていた。

ホテルの朝の食卓。飲食店も経営している系列だったからかクオリティが高い。焼き鯖ときゅうりの漬物が美味だった。

今回最大の目的地である松本城。1590年の小田原攻め後に石川数正・康長親子が入封・築城して以来の現存最古の天守閣を持つ国宝の城。烏城とも呼ばれる黒を基調とした色が白や空の青、山の緑とのコントラストとよく映える壮麗なお城。要約するとkamikamiイチオシの城郭。




松本城天守閣内部と6階からの眺望。緑の芝生は御殿跡。階段が急勾配すぎてほぼ梯子だった。




今年国宝に指定された、明治時代に小学校として建築された旧開智学校。和洋折衷の擬洋風建築だが、玄関の龍のレリーフやバルコニーの装飾は中華風であり、事実上の和洋中折衷である。



旧開智学校の中は明治〜昭和前期までの教科書他教育資料の展示や同時代の教育制度のあゆみの解説が充実した博物館だった。



松本のカレーの名店メーヤウ信濃町や早稲田(今は閉店)の同名の店の姉妹店。食べ放題バイキング形式の店でいろいろなカレーが楽しめる。インド風チキンカリーの辛さは全店共通の極悪ぶり。1回目は失敗の気がしたので、2回目で常連さんのやり方に学んで盛り付けた。



それにしてもとんでもなく暑かった。そしてさらば信濃の国


甲府

関東に帰る途中に立ち寄ったのが甲府山梨県の県庁所在地。

甲府城跡である舞鶴城公園での甲府開府500年記念の夏祭り。小田原市静岡市の関係者も出展していて結構盛り上がっていた。



道路と線路を挟んでいろいろある甲府城。大名としての武田家滅亡後に徳川家康が建てたらしいが、城壁と城門の再現度が高い。



暑さのあまり木が霧を噴出するようになった街・甲府

武田信玄像と武田信虎像。信玄は言わずと知れた甲州の英雄。一方でその父である信虎の評価は高くなかったが、甲府開府500年の今、甲府の街の礎を作った人物として再評価が進んでいる。


旅の締め括りの食事はほうとうの名店ちよだのおざら*1ほうとうの食感と醤油ベースのつけ汁のコンボがたまらない、夏に食べたい一品。


まとめ

帰宅後の土産。金精軒の生信玄餅大吟醸粕てらに山梨銘醸の七賢。両社とも母方の故郷の地元店なので、山梨に寄った時は必ずと言っていいほど製品を買っている。初めて買った山梨名物、鮑の煮貝も楽しみ。酒のあてにちょうどいいかも?


そして気になる交通費について。

【1日目の本来の交通費】
町田→長野:4750円
長野→松本:1140円
計:5890円

【2日目の本来の交通費】
松本→甲府:1944円
甲府→町田:1944円

計:3888円

ちなみに 青春18きっぷは1日あたり2370円なので4500円以上、半額以下の交通費で済む計算に。青春18きっぷは偉大なり。

今度の青春18きっぷの旅は掛川の予定。『氷菓』の千反田えるさんのお宅のモデルになった家の訪問と京アニ支援の募金が目的だけど、1日分余りそうだから、日帰りでどこか行く予定。

*1:つけ麺スタイルの冷やしほうとう。当店が発祥