行雲流水

ごきげんよう

2019年9月の読書

9月の読書メーター
読んだ本の数:18
読んだページ数:5249
ナイス数:235


氷菓 (角川文庫)氷菓 (角川文庫)感想
千反田邸のモデル(加茂荘花鳥園)の舞台探訪に合わせて再読。神山高校古典部と文化祭(カンヤ祭)にまつわる謎解き。こうして振り返ると奉太郎の周囲(特に女性陣)がなかなかいいキャラしてる(褒め言葉)。
読了日:09月02日 著者:米澤 穂信
愚者のエンドロール (角川文庫)愚者のエンドロール (角川文庫)感想
カンヤ祭の出し物としての映画の謎解き。単に奉太郎に謎を解かせるだけでなく、その推理を脚本として仕上げようとさせる発想は奇策としか思えない。そして里志、奉太郎に羨望というか劣等感を抱いているな。
読了日:09月03日 著者:米澤 穂信
クドリャフカの順番 (角川文庫)クドリャフカの順番 (角川文庫)感想
カンヤ祭当日に連続する、各部での盗難(?)事件こと十文字事件。出来のいい友人に複雑な感情を抱く陸山先輩と田名部先輩の関係は、どことなく「響け!ユーフォニアム」における感情の葛藤の描写に似通ったものがある。里志の奉太郎に向けた感情にも近いか。
読了日:09月05日 著者:米澤 穂信
遠まわりする雛 (角川文庫)遠まわりする雛 (角川文庫)感想
1年生編から2年生編との間の橋渡しの時期の出来事を描いた短編集。千反田える、魔性の女の素質を日に日に帯びていっているような気がする。それにひきかえ、(奉太郎への)物言いは辛辣だけど摩耶花の常識人ぶりよ。
読了日:09月06日 著者:米澤 穂信
ふたりの距離の概算 (角川文庫)ふたりの距離の概算 (角川文庫)感想
2年に進級した奉太郎たち古典部の4人。大日向友子を新入部員として迎えるも、本入部はせず取りやめてしまうという。その真相を解明すべく、マラソン大会で走りながら推理を続ける奉太郎の姿が印象的。そして結末で明かされた思い違いがなんとも切ない。
読了日:09月09日 著者:米澤 穂信
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 【KAエスマ文庫】ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 【KAエスマ文庫】感想
映画視聴前に一読。「永遠と自動手記人形」は生き別れた義理の姉妹の話で、今までのエピソードで成長を重ねてきたヴァイオレットが一役も二役も買っている。紛れもなく百合と言ってよかろう。そしてアニメ版のヴァイオレットも少佐と再会できるといいね、と切に思う。
読了日:09月11日 著者:暁 佳奈
処刑少女の生きる道(バージンロード)2 ―ホワイト・アウト― (GA文庫)処刑少女の生きる道(バージンロード)2 ―ホワイト・アウト― (GA文庫)感想
1巻の流れを受け継ぎつつ、世界の核心に迫っているようで緊迫感が強い。敵が強大な力を持ちながら精神的に幼いとかえって不気味で読み応えがある。それはそれとして今回も面白かった。メノウとモモの掛け合いが板につきすぎて、もはや夫婦漫才にしか見えない。ここまでの本作、主人公陣営どころか名のある敵方までほぼ全員女性キャラであるというのも特色か。
読了日:09月13日 著者:佐藤真登
破戒 (岩波文庫)破戒 (岩波文庫)感想
小学校教師瀬川丑松が穢多出身であるという身分を隠せという父の戒めを破るというストーリーを描いた小説。明治時代の長野県飯山が舞台であり、自然や人々の生活の奥行きと、御一新(明治維新)後も根深く残る人々の差別意識とが入り混じった社会派文学らしい作品だった。丑松が生徒の前で自らの生い立ちを語るシーンは、生徒たちへの信頼とそこに至るまでの紆余曲折の積み重ねもあり、鮮烈だった。
読了日:09月14日 著者:島崎 藤村
大隈重信(上)-「巨人」が夢見たもの (中公新書 (2550))大隈重信(上)-「巨人」が夢見たもの (中公新書 (2550))感想
幕末、明治、大正にかけての政治家の中でも高い知名度と強い存在感を誇るも、今ひとつ政治家としての実績が「わかりにくい」と評される大隈重信の評伝。一貫して大隈が英国に倣った議会設立と政党政治を導入や、中国における市場の自由化により、日本および東アジアの近代化を志向していたことがよくわかった。薩長藩閥に属さないというハンディキャップを持ち前の精神力と動員力、そして時に応じて伊藤博文ら政敵にも頭を下げられる姿勢でカバーし、困難を乗り越えていく気宇壮大さには感銘を受けた。
読了日:09月16日 著者:伊藤 之雄
大隈重信(下)-「巨人」が築いたもの (中公新書 (2551))大隈重信(下)-「巨人」が築いたもの (中公新書 (2551))感想
下巻は隈板内閣総辞職以降。大隈にとって日本に議論を経て形成された「輿論」に基づいた政治を根付かせるのはライフワークであることが明かされる。東京専門学校(早稲田大学)の創設や立憲改進党の結党も、この一生涯追い続けた理想を実現させる手段だったことがよくわかる。ポピュリズム的手法を用いる政治家とポピュリストは別物であり、大隈は前者であるというのは勉強になった。
読了日:09月19日 著者:伊藤 之雄
友達未遂友達未遂感想
人里離れた山奥の女子高に学び、寄宿舎に住む4人の関係を描いた小説。親や教師など身近な大人に不満や不信を抱いている4人の前で洗濯物が汚されるなどの事件が次々に起こる。が、犯人を見つけて吊し上げたり、身勝手な大人をギャフンと言わせてハイおしまい、という結末ではなかったことに拍手を送りたい。おかげで読後感はだいぶいい気分。いい百合小説だった。
読了日:09月20日 著者:宮西 真冬
なめらかな世界と、その敵なめらかな世界と、その敵感想
ポスト伊藤計劃という雰囲気の古いようで新しいSF短篇集。どれも構成力や着眼点の鋭さが卓越しているが、並行世界を縦横無尽に往復する表題作、脳にメスを入れることで人の感情が制御される世界でかの御冷ミァハから命名された主人公の愛の物語である『北条美亜羽に贈る拳銃』、人間の脳を演算装置として人工知能の発達が著しいソ連を舞台とした『シンギュラリティ・ソヴィエト』が際立っていた。特に『北条〜』はミァハ信者の自分にとっては印象深い。
読了日:09月23日 著者:伴名 練
世界が土曜の夜の夢なら  ヤンキーと精神分析世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析感想
いわゆる「ヤンキー」の精神性についての論考。地元志向かつ保守志向で家族や絆、気合いやアゲ、父性よりも母性を重んじる、といった著者の自説を浜崎あゆみから橋下徹などの各界の著名人に当てはめて考察している。読み物としては興味深いが、浅く広くといった感じ。
読了日:09月23日 著者:斎藤 環
ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~ (メディアワークス文庫)感想
およそ8年ぶりに再読。振り返ってみると大輔と栞子の関係のぎこちなさが懐かしい。
読了日:09月27日 著者:三上 延
乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(7) (アクションコミックス(月刊アクション))乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(7) (アクションコミックス(月刊アクション))感想
ボヘミアの情勢は一旦落ち着いたものの、女性陣が捕虜になったり、ジシュカの動きが不穏だったり、クマン人の侵攻があったりするなど、相変わらずタボール軍の周辺は波乱含み。シャールカのジシュカへの心酔ぶりの根源は……。
読了日:09月28日 著者:大西 巷一
乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(8) (アクションコミックス(月刊アクション))乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(8) (アクションコミックス(月刊アクション))感想
シャールカ、シュヴァルツ卿の捕虜となり異端者として処刑されかかるも、母となることで処刑を免れる。そして2年後タボール軍に復帰するも、娘クラーラとは生き別れ。そしてフス派内部分裂があり、やはり不穏な展開。
読了日:09月29日 著者:大西 巷一
ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)感想
時計じかけのオレンジ』の薀蓄については、今年映画を見たところなので思わず得心したが、このトピックを絡めて推理劇に仕立て上げてしまう本作の構成力に目を瞠った。初見時はあまり気にならなかったが、大輔と元カノ晶穂の関係がえも言われない。
読了日:09月30日 著者:三上 延
乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(9) (アクションコミックス(月刊アクション))乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(9) (アクションコミックス(月刊アクション))感想
巨星ジシュカ墜つ。こういった史上の大物の道半ばの退場はやはりヤン・ウェンリーの死を連想する。タボール軍、ひいてはフス派は彼亡き後の世界でどのように居場所を見つけるのか、見ものである。
読了日:09月30日 著者:大西 巷一

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