疾風勁草

子曰く、歳寒くして然る後に松柏の凋むに後るるを知る

20191222-20200105_青春18きっぷの旅

年を跨いで計3回(うち日帰り2回)の青春18きっぷの旅


栃木市

1日目は蔵の街として知られる小江戸栃木市。明治初期は栃木県の県庁所在地だった歴史ある街。

栃木駅北口から伸びる目抜き通り、送電線と電柱のない区間が長くて見栄えがいい。スタバやファミマも茶色い観光地仕様。

巴波川沿いの蔵の街。観光地仕様の区間はわずかだけど雰囲気があった。あと川の水が澄んでいて底が見えた。


前々から気になっていた栃木市が誇るじゃがいも入り焼きそばの名店、大豆生田商店。イカ入りを注文したけど、ボリュームの割に価格が450円とリーズナブルでコストパフォーマンス抜群。店を切り盛りするお母さんのキャラも最高だったし。また行きたい。



富津市竹岡

12月28日は竹岡式ラーメンを食すべく最寄りの竹岡駅で下車。最寄りとは言っても、所要時間は30分近く。海沿いの道を歩くことに。東京湾が一望できるけど、距離感的に意外と小さく感じられる。

地元住民を中心とする30人程度の行列を1時間近く待ってありつけた梅乃家のラーメン。即席麺のような食感の乾麺と焼豚の煮汁をお湯で割っただけのスープという一見奇妙組み合わせだが、これがなかなか癖になる。角煮としか思えない極厚焼豚4枚が付くのにチャーシュー麺でなくラーメンなのが強力。大満足🍜

竹岡駅から一駅分歩いて上総湊駅まで着いてしまった。いかにも地方駅という佇まいと夕方という時間帯が醸し出す雰囲気がエモい。


彦根市

年明け1月3日は自宅の最寄り駅の始発列車を経由して東海道線で十数年ぶりの彦根城を目指す。道中の車窓からは、今まで肉眼で見たことのないくっきりとした富士山の雄姿にお目にかかることができた🗻

7時間の電車の旅を経てついに彦根到着。運行間隔が30分に1本の4両編成という大垣駅米原駅間は東海道線屈指の難所。米原駅からは姫路駅まで新快速が通っていて快適だが、彦根駅米原駅の隣だった。

徳川軍の精鋭赤備えを率いて関ヶ原で奮戦した井伊の赤鬼こと井伊直政銅像。初代彦根藩主。

彦根駅前の定食屋八千代で食べる彦根丼(肉は牛すじ、赤いのは糸こんにゃく)。牛すじは近江牛というだけあって美味。

天守閣が国宝である彦根城は、石垣といい縄張りといい今まで行った他の城以上に防衛拠点としての性格が色濃くて興味深い城郭。彦根が重要なのは琵琶湖を眼前に控える京都と名古屋を結ぶ交通の要衝だし、堅固な城塞が必要そうな場所だからか。江戸時代を通して11人いた大老のうち5人を輩出した譜代大名の筆頭である井伊家を藩主にしたのもよくわかる。




天守閣の内部構造まで撮影できたのは嬉しい。梁の曲がり具合が木材が元々天然素材であることを物語っている。

彦根城天守閣の外観と景色。現存天守であるため階段が急勾配で登るのはきついが、眺めがいい。眼前に広がるのが海でなく湖であることにただただ驚くばかり。鳥人間コンテストの会場としても有名な場所。


ご存知彦根市のマスコットキャラ、ひこにゃんの勇姿。2代藩主井伊直孝の招き猫伝説に由来する猫のゆるキャラ


彦根城博物館と化した御殿は展示が充実しまくっていた。江戸幕府大老として日本を開国に導いた13代井伊直弼のように茶道の著作があるような趣味人が藩主を務めていたこともあってか、甲冑や能楽、焼き物の展示がすごい。そして日本庭園の完成度も素晴らしかった。

取り壊しの危機にあった彦根城天守閣を救ったのは大隈重信だった。明治天皇に上奏までするとは。

彦根駅前の居酒屋で豪遊するkamikami。牡蠣の刺身と炙り肉寿司が絶品。諭吉よさらば!PayPay決済だけど




豊郷町

翌朝から近江鉄道、略して近鉄で旧豊郷小学校校舎「登校」のため豊郷へ。滋賀県出身だった西武グループ創業者の堤康次郎との縁もあって、西武グループの一社で西武の車両を使っている。

裏表であずにゃんの肌の色が違うのがわかってる。それにしても今でもけいおん!関連のイベントやってるんだな。



目的地の旧豊郷小学校(1937年竣工)。アニメ作中にも登場した噴水や階段のウサギとカメのモチーフもそのまま。



3階は主にファンの集いの場になっていて、国内のみならず海外からのファンも訪れることを物語っていた。京アニ応援のノートもあったので記帳してきた。メッセージ内容は割と本音です。





桑名市

お次は往路を遡り、名古屋駅を経由して桑名駅へ。そうは桑名の焼き蛤。

諸戸清六邸こと六華苑。鹿鳴館の設計で有名なジョサイア・コンドル設計のもと1913年竣工。知る人ぞ知る傑作百合ゲーム「FLOWERS」の聖地でもある。ゲームには和館はないのでちょっと不思議な気がするけど雰囲気はいい。



内装もシックで建築当時のモダニズムを体現したことがよくわかる。FLOWERSに登場したサンルームもばっちり。再現度の高さに脱帽。




岡崎市

今回の旅最後の目的地・岡崎市徳川家康の出身地として有名な三河地方中部の愛知県第3の都市。史跡にして観光地の岡崎城や宿泊先のホテルの最寄り駅がJR岡崎駅から3km程度離れた名鉄東岡崎駅ということで、岡崎駅から徒歩で宿泊先を目指すことに。

昼食を抜いた後の夕食は名古屋を中心としたラーメンのチェーン店であるフジヤマ55の牛ホルつけ麺。味噌ベースのツケダレは初めてだが、その濃厚さと牛ホルモンの歯ごたえと味わいがたまらない。

旅行最終日翌朝は岡崎城へ。復興天守の中は甲冑などの展示がある今の小田原城福山城に近い感じ。三河の歴史を中心とした三河武士のやかたという博物館もあった。

5日分まとめての記事なので長くなった。やっぱり旅はいい。