疾風勁草

子曰く、歳寒くして然る後に松柏の凋むに後るるを知る

20160503_ソ・ラ・ノ・ヲ・ト&ソラヲフ

去る5/3、秋葉原*1にてアニメ「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」のオフ会(通称ソラヲフ)に参加しました。というわけで今回は参加しての感想と、肝心のアニメの内容(一応ネタバレあり)について語りたいと思います。

f:id:kamikami3594:20160503130854j:plain

ソラヲフの感想

予定より少し遅れて会場に到着。入ってまず驚いたのは、50名余と参加者が多くて大盛況だったこと。自分が参加を表明した時には30名程度が参加予定ということで、この時点で結構集まったな、と思っていましたが、自分以上に根強いファンが多いことを嬉しく思いました。会場は大型スクリーンに、複数の円卓に、関連グッズコーナーに、とそれなりに広い部屋だったものの、何とも人が多い。なので少し手狭に感じたくらい。関連グッズは、アニメ雑誌のソラノヲト特集が掲載された号から、コミックやゲームなどの関連商品、トランペットから劇中に登場する銃のレプリカまでいろいろあり、参加者の皆さんの愛着が本物であることを物語っていました。これだけ熱心なファンがいれば今後も安泰!?

上映が始まってみて。部屋を暗くして大きな画面で視聴してみると、やはりちょっとした映画館に行ったような感覚がしました。最近は主に劇場版アニメを見るために映画館に足を運ぶ機会が多くなりましたが、自宅のTVやPCのモニタで見るよりも、見応えには断然違いがありますね。キャラの表情や手の動きといった仕草、書類にハンコを押すシーンなどの細かい描写にも発見することができました。

この日は夜勤が入り、名残惜しかったのですが13話上映前に退出することに。あまり多くは話せませんでしたが、今回一緒して下さったソラノヲトファンの皆さん、特に運営の皆さんにはお礼申し上げたいです。13話*2も見たかったし、懇親会にも参加したかったなあ…。第2回があれば万難を排してぜひ参加したいです!

ソ・ラ・ノ・ヲ・トについて

私自身のことについて話すと、実はソラノヲトを見たのは今年の1月が初めてで、ソラヲフの前日までに2周目、今回のソラヲフで3周目と、ファンとしては新参の部類に入ります。元々「ストライクウィッチーズ」や「ガールズ&パンツァー」のような萌えミリ要素や百合要素のあるアニメが好きで、このアニメもきっといけるだろう、という軽い気持ちで見始めました。あとなぜか雑誌本体は既に処分したのにソラノヲトの特集を組んだ付録の冊子をロクに読まないまま保存していたことにも奇縁を感じます。少し保存状態がよろしくないですが…。
f:id:kamikami3594:20160505201320j:plain
f:id:kamikami3594:20160505201330j:plain

本作の好きなところはいろいろありますが、まず気になったのは不思議な世界観。戦争によって文明が衰退し、海から生命が消えた世界ということですが、それは言語・文字・風習など各国の文化が混ざり合った不思議な世界。舞台であるセーズのモデルはスペインのクエンカとアラルコンという実在する街であるものの、文書や地図には英語が使われたり、「八百万の神々」に祈る教会に盆や精霊流しの風習が存在していたりと、割とフリーダムな感じ。最初は戸惑い気味でしたが、人々の生活とこうした文化が密着していることが作中でしっかり表現されていたので、今振り返ってみると独特でいいなあ、と思っています。

次に、当然ながら時告げ砦の第1121小隊の5人も気に入っています。その中でもカナタとリオの関係は、スト魔女の芳佳と坂本さんを連想させるけど、また違ったいい師弟(?)関係という雰囲気で好感度が高いです。リオ役の小林ゆうの男前ボイスと演技もgood.3話で自分が足手まといになったことに落ち込むカナタに「いらない者なんていない。いらない音なんてひとつも無いのさ。先輩や上官は何の為にいると思う?後輩に迷惑をかけられる為にだ」と姉であるイリア公女から受けた影響を踏まえて自分の先輩としての在り方を語っていたことに感銘を受けました。これは1話の「音は必ず響く。必ず響いて、そして伝わる」という本作のメインテーマともいえる言葉の流れを受けたもので、10話におけるリオとカナタとの別れのシーンでの「私はお前のいい先輩でいられただろうか?」と言う場面にも受け継がれていて印象深かったです。ここで言う「音」とは、単なる音やメロディだけではなく、人間の生き方・在り方でもあるんだなあ、と思いました。自分の生き方が人に伝わって、ハーモニーを生み出すように。

それから、最初見たときは駆け足気味に感じた終盤の展開ですが、これは1話で明かされた「音は響いて伝わる」というテーマをきちんと踏まえた内容になっていたことを、見直して実感しています。アーイシャも「アメージング・グレース」を知っていたことから、ヘルベチア軍とローマ軍の衝突が避けられないシーンでカナタが演奏したんだよね。そのため、リオが公女として講和の成立を宣言したシーンの感動は一入でした。1話のちょい役だった軍曹殿もいた!そういうわけで、最後にリオが時告げ砦に戻ってきたのは、ベタな展開だと思いつつも、心の中で「おかえりなさい」と呟くほどに嬉しかったです。7.5話の蒸留所の秘密を巡っての乱痴気騒ぎや8話の本営直通高度緊急非常事態用指令伝達回線保守確認任務のことは今回はお預けということで

他にも語りたいことはありますが、キリがないので今回は深く共鳴を受けたフィリシア隊長の言葉で締め括りたいと思います。この言葉のおかげでどこか肩の荷が下りました。

「きっと、この世界に意味なんかないのよ。でも、それって素敵じゃない? だって、ないなら自分で勝手に見つければいいんだもの」

*1:会場の最寄駅は浅草橋駅らしいですが

*2:1回は見ましたけどね