疾風勁草

子曰く、歳寒くして然る後に松柏の凋むに後るるを知る

2017年1月の読書記録

1月の読書メーター読んだ本の数:5読んだページ数:1395ナイス数:63
オリエンタリズム〈上〉 (平凡社ライブラリー)オリエンタリズム〈上〉 (平凡社ライブラリー)感想パレスチナアメリカ人の文学研究者によるオリエンタリズム(西洋から見た東洋に対する偏見)の論考。「先進的であるヨーロッパが後進的なアジアを善導してやろう」というような観点から帝国主義や植民地支配を正当化する文脈から批判されることが多いオリエンタリズムだが、「神秘的なアジア」という無邪気なロマン主義的な好奇心としてのオリエンタリズムに対する見方が新鮮だった。思えば『神曲』の地獄篇ではムハンマドサラディンが人心を惑わしたとして地獄に落とされていた。読了日:01月05日 著者:エドワード・W. サイード
オリエンタリズム〈下〉 (平凡社ライブラリー)オリエンタリズム〈下〉 (平凡社ライブラリー)感想下巻は上巻で論じたオリエンタリズムをベースに肉付けする形で、著者サイードから見て新しいオリエンタリズムの事例を取り上げ、持論を展開している。一方的な議論はあるものの、その熱を帯びた文章や、偏見や無意識的な願望を排そうとする姿勢には目を瞠るものがある。読了日:01月09日 著者:エドワード・W. サイード
ブレイブウィッチーズ 公式コミックアラカルト (角川コミックス・エース)ブレイブウィッチーズ 公式コミックアラカルト (角川コミックス・エース)感想昨年アニメが放送された「ブレイブウィッチーズ」のアンソロジーコミック。こうして見ると502のメンバーもみんなキャラが立っていたんだな、と思う。全体的に、アニメでは1話のみにしか登場しなかった三隅さんの出番が多め。槌居さんとととにーさんとたちきヤマトさんの作品が好み。読了日:01月17日 著者:
ぷくゆり (百合姫コミックス)ぷくゆり (百合姫コミックス)感想「ななゆり」の時にも実感したけど、プクイチセンセの絵柄はかわらしいけど、描写が濃やかで時に生々しいのが印象的。本作は短編集だが、いじめられっ子とヤンキーといった爪弾き者同士の百合が多い。絵柄だけでなく、登場人物同士の感情表現も濃やかという形容詞以外で表現するのが難しい。読了日:01月18日 著者:マウンテンプクイチ
聖純少女パラダイム (ひらり、コミックス)聖純少女パラダイム (ひらり、コミックス)感想ユリ熊嵐」のキャラクターデザインも担当した実力派百合漫画家の群像劇的百合漫画。「マリみて」など過去の作品へのリスペクトが垣間見える一方で、多感な今時の女子高生らしさも窺える良作。読了日:01月20日 著者:森島 明子
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