疾風勁草

子曰く、歳寒くして然る後に松柏の凋むに後るるを知る

2017年3月の読書記

2017年3月の読書メーター
読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2880ページ
ナイス数:36ナイス


https://bookmeter.com/users/74933/summary/monthly
くちびるためいきさくらいろ(1) (アクションコミックス)
一見短編集みたいだが、奈々と瞳、二人の関係をメインに据えたストーリーになっている。二人が幼なじみ同士ということもあって、「GIRL FRIENDS」の時と異なり、既にある程度の関係が出来上がっているゆえに伝わってくる緊張感や、将来同居することを前提とした生活感を感じられる作品だった。個人的には百合に関しては関係をスタート地点から描いてくれる作品の方が好きだが、本作もまた一興だと思う。
読了日:03月02日 著者:森永 みるく
https://bookmeter.com/books/4710463

くちびるためいきさくらいろ(2) (アクションコミックス)
所々で思い違いがあり、一歩間違えれば惨事になりかねなかったところを上手くまとめてくれた結末だったと思う。「好き」という言葉の解釈が周囲と異なっていたことに悩むあたりは、前作を思い出したが、その辺の葛藤の描写にリアリティがあった。「新婚旅行」というのは将来の生活を見据えていた。彼女ららしい。
読了日:03月02日 著者:森永 みるく
https://bookmeter.com/books/4710473

■物語イギリスの歴史(上) - 古代ブリテン島からエリザベス1世まで (中公新書)
イギリスの歴史を主に政治史の観点から概説した本。最初のイングランド王アゼルスタンの名前は初めて知ったが、重要な人物だということがよくわかった。有名なウェセックス王アルフレッドの孫で、諸侯や聖職者をメンバーとする「賢人会議」を開いた人物。この会議は立法や司法だけでなく、軍事や王位継承まで扱う。マグナカルタや議院内閣制の発祥の国は昔から違う。諸侯の力が相対的に強い故に議会が生まれ、ジョン王のような国王が現れれば、掣肘を加えて自分たちの意見や抗議を認めさせる積み重ねの歴史があることがよくわかった。
読了日:03月13日 著者:君塚 直隆
https://bookmeter.com/books/9715297

■物語イギリスの歴史(下) - 清教徒名誉革命からエリザベス2世まで (中公新書 2319)
下巻も上巻の流れを受けて、議会制度の変遷を主軸とする政治史が中心に据えられている。二度に及ぶ市民革命を経て「王は君臨すれども統治せず」と称される王制が確立する流れについては勉強になった。その他は特に真新しい記述はなく、平板な印象を受けたが、コンパクトにまとまってはいる内容だった。
読了日:03月16日 著者:君塚 直隆
https://bookmeter.com/books/9715298

■ガレット創刊号
有名な作家の連載&読み切り作品を収録した新しい百合漫画誌。シチュエーションも登場人物の年齢層やキャラクターも多彩で、何とも贅沢な内容。個人的には橘田いずみ+百乃モト先生の作品と明日部結衣先生の作品が好み。ふとした出会いと、その後の空回りぶりが気に入った。価格は税込2300円と高めだが買う価値は十二分にある。
読了日:03月20日 著者:橘田いずみ,百乃モト,天野しゅにんた,袴田めら,竹宮ジン,大朋めがね,四ツ原フリコ,ほか
https://bookmeter.com/books/11477515

■百合ラブスレイブ わたしだけの委員長 (二次元ドリーム文庫)
ふとしたことから、いけ好かない委員長・怜那の弱味を握って興味本位であれこれ奉仕させる真桜。内容からして成人向け。大筋としては自分の欲求の捌け口として利用していた相手に対して徐々に惹かれていくという、自分の性癖に見事に刺さるものだった。互いに惹かれ合っていく心理描写や終盤の立場の逆転といった展開も秀逸だった。
読了日:03月20日 著者:あらおし悠
https://bookmeter.com/books/11267899

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ (1) (角川コミックス・エース 200-1)
Fate/Stay night」に登場する鬼畜ロリことイリヤスフィールを主人公としたスピンオフコミック。本編をベースにしたオーソドックスな魔法少女作品という作風。イリヤはともかく、凛のキャラが多少違うが、これはパラレルワールドだからということで。
読了日:03月22日 著者:ひろやま ひろし
https://bookmeter.com/books/542439

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ (2) (角川コミックス・エース)
イリヤの挫折と成長、美遊との共闘といった展開は単純かつありがちなものだが、それゆえ王道で熱いものだった。美遊にはヤンデレの素質がありそう。
読了日:03月23日 著者:ひろやま ひろし,TYPE-MOON
https://bookmeter.com/books/478451

■復興亜細亜の諸問題・新亜細亜小論 (中公文庫プレミアム)
英仏露といった国の植民地支配下におけるアジア諸国の趨勢や独立運動といった問題を分析した一書。世界大戦において宗主国の戦場の最前線に立たされる植民地の原住民の現状などが生々しい。大東亜戦争(太平洋戦争)の時下、イギリスの植民地支配を批判しつつも『管子』の記述を引用して同国の"give and take"の思想を全否定するような風潮に諌めていたのが印象深い。著者は東京裁判A級戦犯として法廷に立ったという印象が強いので。
読了日:03月25日 著者:大川 周明
https://bookmeter.com/books/10766701

幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)
とある理由から地球外生命体オーヴァーロードの統治を受け入れることになった地球、そして人類。人類の精神や意識を変革させてより上位に至らしめるという、後の多くの作品(ここでは名前はあえて伏せる)の母胎にもなった偉大な作品。人類が別の種に支配される、というとディストピアを思い浮かべがちだが、本作の世界はそうではない点、そしてその結末とタイトルに込められた意味に思いを馳せると胸裏に込み上げてくるものがある。
読了日:03月29日 著者:クラーク
https://bookmeter.com/books/546080

■百合百景 (MFC)
タイトルに違わず100の百合シーンを総天然色で盛り込んだ豪華な仕様。まさに「突然の百合」。ワンシーンだけ切り出して並べてもなかなか心に響くものがある。作者がpixivに投稿を続けていた頃から注目していたので感慨深さも一入。
読了日:03月30日 著者:はちこ
https://bookmeter.com/books/11541875

■オンリー☆ユー ~あなたと私の二人ぼっち計画~ (電撃コミックスNEXT)
互いに5m以上離れると感電するという条件のもと、半ば強制的に二人組の共同生活を描く。百合と呼ぶにはあっさり気味だったが、絵柄が好みで、特に海ちゃんの口下手さがよかったと思う。
読了日:03月31日 著者:めきめき
https://bookmeter.com/books/10267128


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