20170701,02_銚子
7/1-2に休日を利用して千葉県銚子市まで観光旅行に行ってきたので、今回はその旅についての記事を書きます。
前哨戦
千代田線町屋駅で京成線に乗り換え、まず京成成田駅へ。元々銚子に到着するまで時間的に余裕があったので、佐原駅で下車して佐原の街並みを見に行きたいと思っていたが、せっかくなので成田山新勝寺にも寄ってみることに。
初詣や節分の時期に話題に挙がることの多い新勝寺。大本山であるだけに大きな寺院だった。雨が降っているのは残念だったけど、参拝できてよかった。門前町としての街並みがしっかり残っているのも素敵だった。そして成田空港が近いこともあってか、これから行く佐原や銚子よりも外国人観光客が多かった印象。
今度はJR成田線に乗り換え、下車したのが佐原駅。江戸時代に水運で栄え、川越や栃木と並んで「小江戸」と称される街並みが今も残る、知る人ぞ知る観光スポットである。
こうして見ると、小江戸という触れ込みで宣伝している街だけど、昭和レトロもそこはかとなく感じる街並みだった。古そうな商店が軒を連ねているあたり、そういう香りが満々である。
婿入りした伊能家の家業から隠居後、日本全国を踏破して正確な地図を作った伊能忠敬の旧宅があるのもこの佐原。当時の測量用具のレプリカもある史跡になっていた。平屋建てで思ったよりも慎ましかったという印象。
佐原で昼食時に訪れた寿司屋で一枚。ランチタイムの上握りということだが、これで1600円。今まで食べた寿司の中でも最高かもしれない。特に貝類の寿司ネタと海老の出汁がこれでもかと言わんばかりに濃厚だった味噌汁が美味だった。
佐原の街を後にして徒歩で向かった*1のが香取神宮。皇室と縁のある経津主大神を祀る下総国一宮。天照大神を祀る伊勢神宮や明治天皇と昭憲皇太后を祭神とする明治神宮のように、皇室と縁の深い神を祀る大きな神社は神宮と呼ばれるようだ。周辺は森林が広がっており、駐車場や神社の入口の前に商店や飲食店が10数件ほど立ち並んでいる他はほとんどが緑に覆われていた。
銚子市内
やってきました銚子駅。醤油と漁業とキャベツの街にして、夏涼しく冬暖かい、日本一早く日の出を迎える関東最東端の街。今回は銚子電鉄に乗って犬吠埼灯台を見学したいという野望があって銚子に訪れたが、この日は歩き回ったし、時刻も17:00を過ぎる頃だったので、まずは宿泊先のホテルに向かうことに。
チェックイン後訪れた駅前のそば屋で注文したかきせいろ。牡蠣が大振りかつ濃厚な味わいで満足満足。
翌朝からは銚子電鉄の旅。JR銚子駅のホームに直結する銚電銚子駅の駅舎をくぐり、車掌さんから一日乗車券を購入して6.4km、終点外川駅まで、20分弱というささやかな銚電の旅へ。銚子電鉄は利用客減により、鉄道事業では赤字続き。2006年に「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」とホームページに切実なメッセージを掲載した反響で、副業として製造販売しているぬれ煎餅を多くの人が買ったことや、2014年の脱線事故で復旧の費用を地元銚子商業高校の生徒がクラウドファンディングという形で支援を募って目標以上の金額を集めたなど、何かと愛されていることが伝わる話題に事欠かない小さなローカル鉄道。
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銚子電鉄を支えるためにもぬれ煎餅はぜひ買ってねー。私の好物ですし(ステマですらない露骨な宣伝)。
それはともかく、レトロな車輌や単線なのは事前に聞いていたが、住宅スレスレを縫うように通る軌道、市内に広がるキャベツやトウモロコシの畑の眺め、草稿中の車輛に木や草が触れるのはこのあたりではまずお目にかかれないもので、自分の心の中の童心が目を覚ましそうだった。
外川駅の駅舎や周辺のタイムスリップした感は半端なかった。銚子は半島の街だが、海まで続く坂道や建物の古さ具合を鑑みるに、この街並みは離島の街によくありそうな感じがした。これも一種のノスタルジアか。佐原の街並みといい、今回の旅は時計の針が逆向きに進んだかのような光景を目の当たりする機会が多い。
今回の旅の目的地。それが犬吠埼灯台。関東最東端。明治時代にイギリス出身のお雇い外国人ブラントン技師によって設計された由緒正しい今も現役の灯台。こういうレトロな建物が今も現役であるというのは、何とも嬉しいことである。灯台の白に合わせて、入り口前に設置された郵便ポストも真っ白。かわいい。
過疎化が進んでいることもあって、所々寂れている市内にありながら、駐車場はなかなか混んでいた。そしてバイクも多数止まっていた。
九十九里浜を99段の階段を昇って外に出ての眺望。海の方向は何も遮るものがない太平洋が広がるだけである。海岸線も美しい。
併設の資料館には灯台の歴史に関する展示や灯台で照明用として使われる実物のレンズといった展示物があった。レンズは右下の機械で回転することで、回転しつつ遠くに光を届かせるようになっている。
次に訪れたのが犬吠埼マリンパーク。港町銚子の水族館。
外観からして昭和後期~平成バブル期の匂いがムンムン。そもそもホームページから漂うインターネット黎明期の空気*2。水族館なのに恐竜がお出迎えするミステリアスさといい、お世辞にもきれいとは言えないイルカやペンギンのプールといい、薄暗い学校のような内装といい、胡散臭いB級スポット感が満載だった。
でも展示している魚に一種ごとに手書き(手描き)のイラスト入りの解説があり、手作り感があって雰囲気はよかった。ここでも童心を擽られた。銚子近辺でシイラが「まんびき」でクサウオが「ちゃーちる」って呼ばれているのは謎の中の謎だけど。
犬吠埼灯台前の食堂の磯定食。刺身やお新香などがある定番の和風定食という印象だが、目玉はサザエの塩焼き。なんと目の前で火を付けて調理する。皿に敷き詰められているのは塩。サザエに火が通るのを待ちつつ定食を頂くというなかなかない体験をした。
銚電の代表駅である犬吠駅。いかにもギリシャやイタリアあたりの南欧にありそうな佇まいは成金趣味っぽくて割と好き。
増毛の聖地髪毛黒生駅こと笠上黒生駅から徒歩で向かったのが銚子ポートタワー。近くに夫婦ヶ鼻という岬があったことや、タワーが2本の塔が支え合う形で構成されていることから、縁結びやデートスポットとしても人気があるらしい。タワーからは銚子漁港や停泊中の海上保安庁の巡視船かとりを眺めることができた。
ここで時間があったことや、銚子ポートタワーで共通券を買ったこともあり、地球の丸く見える丘展望館に向かうべく、再び犬吠駅へ。
約70mと、銚子で最も標高の高い場所に位置する地球の丸く見える丘展望館は、銚子半島の全容や太平洋が一望できる、銚子市内でも最高のビューポイントだった。およそ10km海岸沿いに続く屏風ヶ浦の断崖もよく見えた。ここだと初日の出もよく見えるだろう。
銚子最後の思い出作りとして醤油ソフトを食す。銚子に本社と工場を持つヤマサ醤油でも食べられるそうな。みたらし団子みたいな味を思い浮かべたけど、醤油の香ばしさも残しつつ、まろやかで甘すぎなくて美味だった。
*1:佐原から2,30分は歩いた