疾風勁草

子曰く、歳寒くして然る後に松柏の凋むに後るるを知る

2017年6月の読書

6月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1960
ナイス数:33


万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)感想
再読。万延元年の一揆フットボールという、一見結びつかない要素が約一世紀の時を越え、蜜三郎、鷹四兄弟ら登場人物を介して結び付いていく過程がおどろおどろしくもページを繰る手を休めさせない。粗暴かつグロテスクな内容でありながら、本作が私を惹き付けて已まないのは濃密で無駄を感じさせないからか。
読了日:06月04日 著者:大江 健三郎
ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)感想
時は28世紀。蛮族アウスターの侵攻を受けた惑星ハイぺリオンに「巡礼」に向かう7人の男女を中心に描いたSF大作。SF要素満載だが、ファンタジーやハードボイルドの要素も詰め込まれた壮大な世界観が特徴。この巻だけだと話の大筋がまだ見えてこない。本格的に面白くなってくるのは次巻以降かな。
読了日:06月20日 著者:ダン シモンズ
捏造トラップ-NTR-4 (百合姫コミックス)捏造トラップ-NTR-4 (百合姫コミックス)感想
由真が自分の本心に気付きながらも、息を潜めつつ蛍との関係を続けざるを得ないという展開はまだまだ続く。そろそろ一波乱ありそう。
読了日:06月20日 著者:コダマ ナオコ
やがて君になる(4) (電撃コミックスNEXT)やがて君になる(4) (電撃コミックスNEXT)感想
文化祭で発表する演劇に向けての合宿に励む侑たち。姉の澪や親友の沙弥香など、燈子を取り巻く人物が物語により絡んできて、程良い緊張感が続く。
読了日:06月21日 著者:仲谷 鳰
ブレイブウィッチーズPrequel2 オラーシャの幻影 (角川スニーカー文庫)ブレイブウィッチーズPrequel2 オラーシャの幻影 (角川スニーカー文庫)感想
ジョゼ・下原の加入とアウロラ姉さんと、なかなか盛り上がる回。スタンダール問答でジョゼを値踏みする直枝がかわいかった。そしてラル隊長、ミーナとの仲は微妙だったんだな…。
読了日:06月22日 著者:築地 俊彦
エクレア blanche あなたに響く百合アンソロジーエクレア blanche あなたに響く百合アンソロジー感想
百合アンソロジー「エクレア」の第二弾。スイートな作風のものもあれば、タイトルに反して(?)ビターで切なげなものもあり、なかなか飽きさせない。フライ先生とカボちゃ先生と伊咲ウタ先生の作品が好き。
読了日:06月23日 著者:フライ,伊藤ハチ,缶乃,仲谷 鳰,平尾アウリ,ほか
ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書)ポピュリズムとは何か - 民主主義の敵か、改革の希望か (中公新書)感想
大衆迎合主義と訳され、衆愚政治と結び付けられることの多いポピュリズムの見直しを促す著書。エリート層や官僚、メディアといったエスタブリッシュメントに反発する民衆の意を汲んで下からの改革を志すポピュリズムが、南米では独裁政権の打破、ヨーロッパでは既成政党の脅威として政治家に緊張感を持たせて結果的に国政を安定させるといった役割を果たしてきたことを本書は明らかにしていく。良くも悪くもポピュリズムBrexit騒動やトランプ大統領の誕生など、既存の秩序を動揺させるトリックスター的な潮流だと思った。
読了日:06月24日 著者:水島 治郎
citrus (7) 特装版 (百合姫コミックス)citrus (7) 特装版 (百合姫コミックス)感想
しらぽん先輩こと白帆という大型新人が登場。際物キャラと思いきや、第一印象よりはいい人そうでよかった(?)。相原義姉妹の安定の不器用ぶりに応援したさの他に安心感すら覚える。
読了日:06月25日 著者:サブロウタ

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