疾風勁草

子曰く、歳寒くして然る後に松柏の凋むに後るるを知る

2018年2月の読書

2018年2月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:1666ページ
ナイス数:31ナイス


https://bookmeter.com/users/74933/summary/monthly
やがて君になる(5) (電撃コミックスNEXT)
引き続き文化祭の劇の稽古をする侑たち。脚本の書き換えなど試行錯誤している感が伝わってくるのが心地よい。「何も持ってない私が何者かになるには 誰かに成り代わるしかないと思ったの でもそれは違ったんだね」という燈の劇中の台詞が、彼女の境遇とオーバーラップさせる演出が印象深い。亡き姉の真似を続ける彼女に、その期待は先輩宛ての気持ちであることを伝える侑。今後はどうなるやら楽しみ。
読了日:02月01日 著者:仲谷 鳰
https://bookmeter.com/books/12540245

■エクレア bleue あなたに響く百合アンソロジー
3巻目となった百合アンソロジー。今回はひびき玲音先生の扉絵がある時点で無敵である。「無職JK」は作者つながりで大人版「あのキス」という趣きでよかった。他には「藪の城」は衝撃的だった。心に突き刺さる。
読了日:02月03日 著者:U35,仲谷 鳰,ひびき 玲音,缶乃,平尾アウリ,ほか
https://bookmeter.com/books/12541301

女の一生 (光文社古典新訳文庫)
フランスはブルターニュの貴族の令嬢として生まれたジャンヌの半生を描いた小説。夫の浮気の末の死別、娘の死産、両親の死、息子の非行といった出来事に対して、悲劇のヒロインを演じるわけでもなくひたすら受動的に悲哀を噛みしめるように生きる姿がかえって印象的だった。彼女がジャンヌ・ダルクという国民的ヒロインと同名だったために、凡庸さが際立ったからかな。
読了日:02月15日 著者:ギィ・ド モーパッサン
https://bookmeter.com/books/2899027

■私の百合はお仕事です! 1 (百合姫コミックス)
元々全くのノーマークだったけど、ネット投票の「百合漫画大賞」で1位を獲得したことがきっかけで読んだ。伝統的な女子校で繰り広げられるスタンダードな百合作品と思いきや、それはコンセプトカフェでの演出での話であり、演出でお姉様と呼んでいた相手が過去に因縁があったいけ好かない相手でさあ大変!というなかなか際どくてメイン2人の感情の揺れ動きが烈しい作品だったのがよかった。
読了日:02月20日 著者:未幡
https://bookmeter.com/books/11847898

■私の百合はお仕事です! 2 (百合姫コミックス)
外面がいいはずの陽芽が無理矢理コンセプトカフェの給仕をやらされているという噂が立つ中で、本当は矢野と仲良くしたいが互いに意地を張ってすれ違う不器用さが危なっかしくも微笑ましくもある。そしてメイン2人に加えてもう1人厄介そうなヒロインが…。
読了日:02月21日 著者:未幡
https://bookmeter.com/books/12281717

■日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)
「日本は農業を中心とする均質で閉鎖的な国」という固定観念を覆す、網野史観と呼ばれる著者の持論を展開する。農業以外の産業に従事する「百姓」を「発見」した網野史観宮崎駿もののけ姫」にも影響を与えたという。本書では14Cの南北朝動乱を転換点に、神社に属する神人が時代を下って穢多や非人といった被差別民として蔑視されるようになったことをはじめとして、冒頭に挙げた固定観念がまかり通る国になっていったことを主張しており、目から鱗が落ちる思いがした。
読了日:02月25日 著者:網野 善彦
https://bookmeter.com/books/533015


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