20190907-08_静岡遠征
去る9月7日、猛烈な残暑の中、静岡方面に青春18きっぷにて旅に出たというお話。
4年前の掛川はこちら
掛川までの道程・掛川花鳥園
始発の電車で最寄り駅からJR東海道線の藤沢駅へ。JR東日本とJR東海の境界駅である熱海駅では、高度な情報戦を制して青春18きっぷ名物熱海ダッシュを見事に成し遂げる。車両編成が短くなる中の熾烈な座席争奪戦である熱海ダッシュは、生き馬の目を抜く競争社会である現代の縮図そのものだ。その後も静岡県内にいる限り「静岡ロングシート地獄」と悪名高い怒濤のロングシート区間が続く。この状況で常在戦場の心構えを捨てるなどできるものか(戦時プロパガンダ風)。
掛川駅到着後は南口から15分ほど歩いて4年ぶりに掛川花鳥園へ。とにかくいろいろな鳥に出会った。
こいつらコガネメキシコインコはエサ(リンゴ)を持ってると寄ってくる。とても人懐こくて好奇心旺盛でかわいいけど、下手すると噛まれるので注意!
1羽で掛川花鳥園の来客者を3割増やしたハシビロコウのふたばちゃん(♀)。体重測定とエサのニジマスを食べるシーンまでお目にかかれる貴重なシーンに遭遇した。
#ハシビロコウ のふたばさんのお食事タイム#掛川花鳥園#kamikami青春18きっぷの旅 pic.twitter.com/Ua5jOM9GoK
— kamikami (@KAMIKAMI3594) 2019年9月7日
花鳥園を後にしてからは、ちょうど開店時間となった念願の静岡ローカルチェーンレストラン「さわやか」で舌鼓を打つ。げんこつハンバーグに肉汁たっぷりの牛ブロック肉100%の旨味がたまらない。これで1080円はコストパフォーマンスが良すぎる。
掛川城・加茂荘花鳥園・夜の掛川
4年ぶりの掛川城*1。いつ見ても縄張りが見事だ。そして江戸時代から残る御殿も風格がある。御殿には杉良太郎氏寄贈の甲冑が新規に展示してあった。
その後は天竜浜名湖鉄道で今回の旅最大の目的である加茂荘花鳥園へ向かう。加茂荘の最寄り駅である原田駅が如何にもな無人駅で、周辺は絵に描いたような田園風景だった。ザ・日本の田舎。
アニメ『氷菓』で登場人物である千反田えるの邸宅のモデルになった加茂荘花鳥園。名物の菖蒲がシーズンオフで閑散としていたが、安土桃山時代から続く由緒正しい庄屋の建築物は見ものだった。この日のような残暑厳しい陽気でもここまで来れば見た目も実際の気温も涼しい。木の香りもたまらなかった。
聖地巡礼という今回の旅の目的達成。募金も記帳もしっかりしてきた。ガイドの方が千反田えるさんのキャラについて来客に熱心かつ丁寧に語っていたのが印象深い。正直私よりずっと詳しい。お茶とお菓子をありがとうございました。
掛川駅まで戻った後はホテルへチェックイン。日が落ちた後は腹拵えのため夜の掛川の街へ繰り出す。首都圏に比べれば静かな印象だが、休日の夜で新幹線駅があるためか、駅前はそれなりに賑わっていた。
掛川駅前の居酒屋「光琳」の焼酎静岡割りと静岡おでんの盛り合わせ、そして浜松餃子と地元密着のメニューを頂く。地産地消の料理を食べることこそ旅の醍醐味。静岡おでんは魚粉とよく味の染みたネタの組み合わせが素晴らしかった。特に大根は絶品。余は満足じゃ。
夜の掛川城をはじめとした街中も乙なものだった。夜の街を徘徊した後はホテルに戻って一泊。
静岡市街・興津宿
掛川を発って向かったのは静岡県および静岡市の中心駅である静岡駅。静岡市も大学1年のころに駿府城に寄って依頼ご無沙汰だった。
このとってもエモい建物は静岡市役所の本庁舎。戦前に建築された庁舎で「あおいの塔」というニックネームがあるらしい。ギリシャ正教の教会かイスラーム圏のモスクを彷彿とさせる外観だ。太平洋戦争の空襲時は黒い布で覆って特徴的な塔を遮蔽したおかげで難を逃れたという姫路城に似たエピソードがある。
徳川家康ゆかりの駿府城、前来た時は復元中だったが、今は櫓や門の復元が進んだ。門や櫓は資料館になっていた。家康関連はもちろん、今川氏に関する展示も多かった。今川義元の両親である今川氏親や寿桂尼については勉強になった。
天守台跡の発掘現場と家康関連諸々。こちらは前回行った時に見学したので興味深い。駿府城の天守閣は7階建てで江戸城を凌ぐ日本最大の規模だったが、寛永年間の落雷火災で焼失後再建されず仕舞いだったという。
静岡駅のドトールで休憩後は静岡市清水区の興津駅へ。旧東海道の興津宿があった国道1号線沿いには仄かに旧宿場町の面影が残っていた。
足利尊氏の手による臨済宗の清見寺。門は踏切の手前側で境内が線路の向こう側にあるのは珍しい。鳥居と境内の間に江ノ電の踏切が横切る鎌倉の御霊神社みたいだ。
明治〜昭和前期の政治家であった西園寺公望公爵の別荘であった坐漁荘。来年で築100年らしい*2。瀟洒な佇まいの近代的和風建築でありながら開放感を兼ね備えており、別荘としての居住性と西園寺公の文化的識見の高さが窺える。
内装が素敵すぎて語彙力を喪失しそう。庭先の緑と木の優しい色合いのコントラストが見事すぎる。
帰りの車窓にて。台風が接近中だったからか、富士山周辺の雲行きが怪しい……。