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L'aube de l'horizon

ごきげんよう

ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生

やっぱりネタバレ注意。P3Pと並んでゲーマー復帰のきっかけとなった作品。

ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生

ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生

―苗木くん、ここまで言えばわかるわね(五・七・五)
総合評価:7

【概要】
舞台は、あらゆる分野の超一流高校生を集めて育て上げる為に設立された、政府公認の特権的な学園「私立 希望ヶ峰学園」。国の将来を担う"希望"を育て上げるべく設立されたこの学園に、至極平凡な主人公、苗木誠もまた入学を許可されていた。
平均的な学生の中から、抽選によってただ1名選出された超高校級の幸運児として……。

入学式当日、玄関ホールで気を失った誠が目を覚ましたのは、密室となった学園内と思われる場所だった。
「希望ヶ峰学園」という名前にはほど遠い、陰鬱な雰囲気。薄汚れた廊下、窓には鉄格子、牢獄のような圧迫感。何かがおかしい。

入学式会場で、自らを学園長と称するクマのぬいぐるみ、モノクマは生徒たちへ語りはじめる。
――今後一生をこの閉鎖空間である学園内で過ごすこと。外へ出たければ殺人をすること。――

主人公の誠を含め、この絶望の学園に閉じこめられたのは、全国から集められた超高校級の学生15人。
生徒の信頼関係を打ち砕く事件の数々。卑劣な学級裁判。黒幕は誰なのか。その真の目論見とは……。


【設定:7】
牢獄のような校舎内に幽閉され、解放のため他の学生と殺し合いと共同生活を強いられる。なんともストレスフルな状況。「ドラえもん」から「ハチワンダイバー」までいろいろな作品のパロディを鏤めるなど、どこか諧謔心も感じられる。

全体的な長所としては下記にも挙げた通りの悪趣味ながらも目を離せないストーリー、声優の迫真の演技、濃いキャラクターなどが挙げられる。

短所としては、推理・アクション両面で難易度が一番高いモードでも然程難しくない点、展開が一本道で自由度が低い点、血がピンクの蛍光塗料にしか見えないといった突っ込み所が多い点か。年齢規制のある作品だから、そのあたりもう少しはっちゃけても良かった。

というわけで、
1.推理系作品が好き
2.ある程度オタク文化への素養がある
3.グロや殺伐とした暗い雰囲気に耐性がある
という3つの条件をクリアする人以外にはお勧めできない。

というわけで、全体的な評価としては10段階評価で7という「良作」レベル。

【ストーリー:8】
テーマはタイトル通り「希望と絶望」。影が濃くなればなるほど、光もより明るくなるといったところか。

最初から最後まで息を吐かせぬ展開は見事だと思った。推理については霧切響子がプレイヤーに代わって大部分をやってくれる。学級裁判中にもモノローグの形式でヒントがいくつも出る。これは推理そのものよりもストーリーに注目してほしいという製作者の意図だろうか。

作風について、プレイ前は小説家で言うと西尾維新のように先鋭的で読者(プレイヤー)の意表を衝く感じかと思ったが、プレイ後は土橋真二郎的だと思った。仲間内の不協和音や、追い詰められた人間の精神的脆さの描写に長けているという点で。

【音響:8】
BGMについては6、声優の演技については9といったところ。学級裁判時のBGMに疾走感があったことを除けば、そこまで印象に残った曲はなかった。

声優は…、皆指摘済みのことだろうけど、大山のぶ代を起用したのがやはり大きい。ドラえもんの声で物騒な発言を連発。これはえげつない*1。こちらは生徒たちを煽って殺人の動機付けをしたりと、清清しいまでの悪役振りを披露してくれる。

他の声優陣の演技も豪華かつ、迫真的なものが多い印象。特に被害妄想全開で陰気なキャラと、やたらハイテンションでノリノリなキャラの両役をこなした沢城みゆきや、黒幕として重苦しい絶望を一身に背負った豊口めぐみの演技は鬼気迫るものを感じた。

【キャラ:7】
「超高校級のアイドル」、「超高校級の御曹司」を始め、濃い設定を持つ高校生たちが勢揃い。各キャラの個性や能力は作中で概ね活かされていたと思う。おかげで大部分のキャラに好感を持つことができた。ただ、生存組と死亡組で待遇にムラがあるのは仕方のないことか。

そして、キャラの造形は「ジャスティス学園」シリーズに近いと思った。石丸清多夏、大和田紋土あたりはまさにそれっぽい。

個人的に気に入ったのは大神さくらと朝日奈葵の友情だろうか。この作品の数少ない光明である。あとクーデレ好きとして外せない霧切響子。彼女の正体は早い段階で気が付いたが、いろいろあるんだなあ…。

【映像:6】
部屋に入ったときの動く絵本のような演出が印象的。他キャラとの会話シーンは大方のギャルゲーのように背景+一枚絵。

裁判において犯人が「処刑」されるシーンはムービーで再現される。それこそがこの作品の真骨頂といったところ。どこかコミカルな雰囲気でもあるため、狂気が際立っていた。どのシーンもいろいろな意味で印象深い。

【アクション:6】
相手の理論の矛盾をリアルタイムで指摘して撃ち抜く「ノンストップ推理」、音ゲーさながらにリズムに合わせて論戦を繰り広げる「マシンガントークバトル」など、従来の法廷モノにない斬新なアクション要素が目白押し。

これ自体は悪くなかった。ただ、ゲームが一つ終わるごとに評価画面になってテンポを多少損ねた点、漫画で事件の経緯を再現する「クライマックス推理」のコマがわかりにくい点は残念。

*1:原作漫画のドラえもんだって「やろう、ぶっころしてやる。」とか穏やかならぬ発言をかましてはいるが…。http://aromablack5310.blog77.fc2.com/blog-entry-8728.html