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ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣&新・紋章の謎〜光と影の英雄〜

ファイアーエムブレム(以下、FEと呼称)シリーズとしてはSFCの「聖戦の系譜」、GCの「蒼炎の軌跡」に継いで3、4作目のプレイ。

ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣

ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣

ファイアーエムブレム 新・紋章の謎 ~光と影の英雄~

ファイアーエムブレム 新・紋章の謎 ~光と影の英雄~

―新旧の長所を採り入れた王道SRPG
総合評価:8/10(以下、10段階評価)

【概要】
日本におけるSRPGの草分け的作品の2度目のリメイク版。一部「暗黒竜と光の剣」はアカネイア大陸の南東に位置するアリティア王国の王子・マルスがドルーア帝国により追われた祖国を奪還し、ドルーア及び暗黒竜メディウスを討つ「暗黒戦争」を、二部「紋章の謎」は暗黒戦争時の盟友で、アカネイア帝国の皇帝として即位したものの、英雄から暴君へと変貌したハーディンの支配に対する内乱を描いた「英雄戦争」を描く。

初代はFC用ソフトとして二部に分けて製作。1度目のリメイク版はSFCから二部を一本のソフトにまとめて製作・発売と相成った。2度目のリメイクたる今作は、グラフィックやSFC版で削られたキャラクターの復活、新キャラクターの追加など装いを新たにしつつ、原点回帰を図る。これ以上の詳細な変更点については長くなるので割愛。

他のSRPG作品と比較して、FEシリーズに一貫しているシステム上の特色を3つ挙げると

1.HPが0になったキャラは死亡扱い
2.パラメータ成長はランダム
3.ダメージは足し算引き算

が挙げられる。

1.について。死んだキャラは原則復活しない。FEのキャラはいくらでも代替可能な「駒」ではなく、かけがえのない「仲間」なのだ。だから、某綾波さんのような戦い方は無用。

2.について。キャラ一人ひとりにはレベルアップ時のパラメータ上昇率が割り振られている。レベルが上がってもHPや力、守備といったパラメータが必ずしも上がるとは限らないのだ。そのため、運が良ければ終盤まで大活躍できるキャラへと成長し、悪ければ「力は伸びるけど、速さは全然伸びない」といった偏った成長を遂げるか、いつまでも貧弱なまま。

5年前にプレイした初FE「聖戦の系譜」の時点でこのシステムには戸惑った。が、これがあってこそのシリーズということで、クリア時の達成感を引き立ててくれる一要素となっている。

3.について。このシリーズの敵へのダメージは

攻撃側の「力(魔力)」+武器(魔法)の攻撃力−防御側の「守備(魔防)」

という式で計算される。誤差はない。こちら側の力が10で武器の攻撃力が8、相手の守備が6だったら、18-6=12という具合に。速さ-武器の重さ*1の値が敵の値より3以上上回っていれば追撃(1ターン2回攻撃)できる、クリティカルヒットが発動すれば、3倍のダメージを与えられるといった要素も重要。

【設定・ストーリー:9】
世界観は剣、魔法、ドラゴン*2一般的なファンタジー作品のもの。いわゆる王道。一部のカミュ*3、二部のハーディン関連など、単なる勧善懲悪になっていない点が奥深い。

二部でハーディンが智勇兼備にして人望厚い英雄から冷酷無慈悲な暴君へと変貌した要因は、妃となったニーナが夫そっちのけでかつての命の恩人であるカミュにかまけていてこと、ニーナの処遇を巡っての国内貴族との政治的摩擦があったことがそもそもの発端。こうしてハーディンは愛する妻からも、家臣からも相手にされないその心の隙間を、メディウスの復活を目論む魔王ガーネフに衝かれて暴走してしまった。

こうしてハーディンはゲーム界でも屈指の悲劇の悪役として、ニーナは無自覚のうちに二人の英雄の運命を狂わせた悪女として語り継がれることになった。まあ、ガーネフにも魔王になった事情があることにはあるわけだが…。

【音響:7】
このシリーズはフィールド曲が全体的に良い出来。それは近作でも健在で、特に後半の重々しい曲は敵の根城に乗り込んだという臨場感がある。戦闘曲としては一部の「激突!二つの正義」は名曲。二部のラスボス戦の曲「絶望ここに君臨す」は題名がいちいち格好いい。

【キャラ:8】
プレイヤーの分身たる「マイユニット」、アイテムが手に入る他、思いがけないキャラの一面を垣間見ることができる「みんなの様子」といった新システム導入、特定のキャラ同士を隣接させると命中、回避、クリティカル率が上昇するGBAの「封印の剣」以来の支援システムなどもあり、従来よりも各キャラクターが掘り下げられている。

このシリーズの宿命として諦めているのは出撃の多いキャラと少ないキャラとの間のレベルの格差。ニコ動では成長率の低さなどから、普段は使われないキャラたち「イラナイツ」*4をメインとした縛りプレイの動画が好評を博している。

重宝したキャラは一部のジェイク(シューター。遠距離専用武器)、二部のナギ(マクムート)、シーマ(ジェネラル)、一部二部共通ではカイン、アベル(騎兵の双璧)、オグマ、ナバール(歩兵の双璧)、シーダ(ペガサスナイトマルスのフィアンセ)、チキ(マクムート)など。

【映像:一部5、二部6】
この作品の戦闘アニメーションは確かにやや物足りない。二部は一部のキャラの画像を改良したのでいい感じ。クリティカル発動時に画面がフラッシュするようになったのも改良か。

【ゲームバランス:8】
一番難易度の低いノーマルでも確かなやり応えはある。難易度としては、中盤から竜族などの強敵が増える二部の方が高め。一部はノーマルと5段階のハードの計6段階、二部はノーマル、ハード、マニアック、ルナティック、ルナティック'の計5段階から難易度を選べる。

二部では従来のFEと同じように死んだ仲間が復活しないクラシックモード、他のSRPGと同じようにHPが0になっても章の終了後復帰するカジュアルモードで間口を広げたため、プレイヤーの腕に合わせた難易度やモードを選択できる。

やたら簡単な章と、結構苦労する章との間のアンバランスが目立つのはある程度仕方ないことか。

というわけで、最後に二部(2周目)の最終結果。

*1:二部「紋章の謎」には武器の重さの概念がないので、純粋に敵の速さを3以上上回っていれば追撃できる

*2:厳密には今作では「竜」とか「マクムート」(半竜半人の種族)といった名称は存在するものの、「ドラゴン」という名称は存在しない

*3:アカネイア大陸一の名将として名高い人物。敵国の王女であったニーナを助け、彼女から好意を寄せられている。忠義にも厚い将として理想的な人物だが、祖国への忠誠とニーナへの愛との間に翻弄される

*4:「いらない騎士たち」という意味。激動の時代を生き抜いたとして「era knights(時代の騎士たち)」とも