疾風勁草

子曰く、歳寒くして然る後に松柏の凋むに後るるを知る

2019年10月の読書

2019年10月の読書メーター
読んだ本の数:17冊
読んだページ数:4073ページ
ナイス数:276ナイス

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10月の読書メーター
読んだ本の数:17
読んだページ数:4073
ナイス数:276

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)感想
同業者間の古書の交換会や顧客との商売を通じて、引き続き篠川家の過去のエピソードが徐々に明かされていく。母の存在が重荷になっている感が強いが、この先の記憶が最初読んだ段階では不明瞭なので、2回目の読書を通じて明確化したい。
読了日:10月01日 著者:三上 延
ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)感想
江戸川乱歩フリークの古書マニアトークと思惑の交錯が特徴的な巻。前回読んだ時からシリーズでも一際オタクっぽい回という印象が強い。
読了日:10月03日 著者:三上 延
雪が白いとき、かつそのときに限り (ハヤカワ・ミステリ)雪が白いとき、かつそのときに限り (ハヤカワ・ミステリ)感想
中国Z市の学生寮で5年前に起こった雪の日に女子学生が密室で変死を遂げた事件を追う中、酷似した状況で発生した殺人事件を扱う。現生徒会長と5年前に学生だった司書教諭が謎を解き明かすという一見正統派のスクールミステリーだが、一捻りあって本格的なミステリーに慣れていない自分は少し面食らった。面白かったけど。そして、犯行動機や登場人物を巡る挫折感や寂寥感といったほろ苦い感情は、米澤穂信古典部シリーズの影響が垣間見える作風の賜物だと思った。
読了日:10月04日 著者:陸 秋槎
ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)感想
五浦家と篠川家を取り巻く事情の包囲網(?)が狭まりつつある感じ。智恵子さん、娘と同じような容姿でなんでこんなに恐ろしいんだろうか。
読了日:10月04日 著者:三上 延
ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)感想
1巻の太宰治『晩年』の初版本を巡る事件が再燃。五浦・篠川両家の父祖やその得意客も含む複雑怪奇な関係の全貌が徐々に明らかになり、ストーリーも佳境に差し掛かったと言ったところ。
読了日:10月06日 著者:三上 延
ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)感想
栞子さんの二人の祖父の因縁が絡む本編最終巻。シェイクスピアのファーストフォリオを巡ってオークションで敢えて火中の栗を拾ってビブリア古書堂を守ったドラマは見事だった。
読了日:10月07日 著者:三上 延
伊藤計劃記録 I (ハヤカワ文庫JA)伊藤計劃記録 I (ハヤカワ文庫JA)感想
はてなダイアリーでの伊藤計劃の記事を書籍化したもの。映画やアニメ作品のレビューや闘病記がメインだが、スパムメールの文面の文学性ついて語るなどの息抜き記事もある。
読了日:10月12日 著者:伊藤 計劃
人を動かす 新装版人を動かす 新装版感想
『道は開ける』の姉妹本とも呼べる自己啓発書の古典。タイトルはリーダーシップに関する内容を連想させるが、人間関係を好転させて人心掌握の方法に関する記述がメイン。「人を褒める」「相手を厳しく咎めない」「相手に関心を持つ」など基本的なようでなかなか実践できていない人が多い記述がメインで内容の重複も見受けられる。
読了日:10月14日 著者:デール カーネギー,Dale Carnegie,山口 博
百合な片想いちゃん百合な片想いちゃん感想
Twitter掲載の漫画の書籍化。真耶と結菜、二人に対する眼差しの優しさや雰囲気の温かさが手に取るように伝わる絵柄に思わず頬が緩む。
読了日:10月17日 著者:ゆりかご
ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (メディアワークス文庫)感想
ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズ本編開始から7年後、二人が結婚して娘の扉子誕生後の話。母となった栞子さんが娘に語り聞かせるというスタイル。人間関係のベースは変化しつつあるものの、変わらないものもあってどこか懐かしい。
読了日:10月19日 著者:三上 延
乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(10) (アクションコミックス(月刊アクション))乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(10) (アクションコミックス(月刊アクション))感想
フス戦争がジャンヌ・ダルクの登場と同時期だから何かあるだろうとうっすら思っていたが、本当にシャールカと絡ませるとは。結末は史実と変わらないが、一抹の救いはあった。
読了日:10月20日 著者:大西 巷一
乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(11) (アクションコミックス(月刊アクション))乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(11) (アクションコミックス(月刊アクション))感想
本作もいよいよ大詰め。フス派の視点からストーリーが展開していく本作だが、だからと言ってフス派も純粋な被害者・善玉というわけではない。彼らによる略奪や暴行、またそれらの引鉄となっている物資や精神の余裕のなさがこれでもかと描かれており、カトリック派との抗争が泥沼化するのは必然とと言える。
読了日:10月21日 著者:大西 巷一
乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(12) (アクションコミックス)乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(12) (アクションコミックス)感想
ジシュカの遺した「孤児(シロッツィ)」たちの戦いはこれで終幕。フス戦争最後の戦役リパニの戦いで神聖ローマ帝国軍や十字軍の前に敗北を喫し、散り散りになる「孤児」たち。不十分とはいえ、フス派の信仰はある程度まで認められたのは、彼らが生きるために戦い抜いたからだろう。シャールカたちは本当によく戦ったと思う。歴史漫画の醍醐味を堪能することができた。
読了日:10月22日 著者:大西 巷一
奏 青春バンド百合アンソロジー奏 青春バンド百合アンソロジー感想
タイトルにもある「バンド」吹奏楽から軽音楽までカバーしている。演奏者とファンの関係から先輩後輩の関係まで、バンドという特性が生きた関係が短い物語に凝縮されていた。
読了日:10月23日 著者:浅見 百合子,飴野,おぎ,轟斗 ソラ,タケシス,竹嶋 えく,まつだ ひかり,ゆあま,ヨルモ
今日、きみと息をする。 (宝島社文庫 『日本ラブストーリー大賞』シリーズ)今日、きみと息をする。 (宝島社文庫 『日本ラブストーリー大賞』シリーズ)感想
今は絶版、作者19歳のデビュー作。2人の男子高校生と1人の女子高校生の各々の視点から展開される三角関係を描いた小説。自己評価と他者からの評価のギャップ、好きなことと適性があることの不一致、思春期の経験不足や視野の狭さに起因する閉塞感や焦燥感の描写など、粗削りながら後の作品に見られる作者のカラーは本作の時点でその萌芽が垣間見える。
読了日:10月23日 著者:武田 綾乃
元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ)元年春之祭 (ハヤカワ・ミステリ)感想
漢武の時代、楚の観家で起こった連続殺人の真相を探偵役である巫女の少女が追う。≪論語≫はもちろん≪詩経≫や≪楚辞≫といった中国古典の援用や解釈で盛り上がる探偵小説というのが何とも異色で不思議な気分。漢代、中国古典、百合と好きなもの全部盛りの勢いなので、いい意味で読むのがつらかった。真犯人の犯行動機はまさに百合だったが、切なすぎる。
読了日:10月28日 著者:陸 秋槎
ルミナス=ブルー(2) (百合姫コミックス)ルミナス=ブルー(2) (百合姫コミックス)感想
光という存在の介入によって起こる、どこかぎこちなかった雨音と寧々の関係の変動を繊細かつ端正な絵柄で余すことなく表現した作品の続刊。売上の制約のせいで2巻で完結せざるを得なかったのは遺憾だが、きちんとした幕引きができたことには拍手を送りたい。
読了日:10月29日 著者:岩見 樹代子

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