2018年7月の読書
7月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1078
ナイス数:45
行進子犬に恋文を(1) (百合姫コミックス)の感想
陸軍学校が舞台という題材からして自分好みすぎる。どこか幼い雰囲気があるもしっかりした一面を持つ忍と厳格な印象だが蛇が相手では忍に任せ切り加賀美の両者のギャップが鮮やか。忍の母親と加賀美との関係が明かされていくことが当面の主な展開になりそう。
読了日:07月03日 著者:玉崎 たま
FLOWERS 1 ―Le volume sur printemps- フラワーズ〈春篇・上〉 (星海社FICTIONS)の感想
同名のアドベンチャーゲームのノベライズ。著者も絵師も原作と同様であるため、原作プレイ経験の有無にかかわらず、世間の喧騒から隔絶したミッションスクールを舞台とした清純でプラトニックな世界観を鑑賞することができる。
読了日:07月10日 著者:志水 はつみ
世界史序説 (ちくま新書)の感想
農耕・遊牧・交易の3つの人間の営みの相互作用を切り口として世界史を読み解くなかなかに気宇壮大な世界史の概説書。宮崎市定や梅棹忠夫といった地理学や生態学の要素を含んだ先学の知見や杉山正明のモンゴル研究の成果を踏まえ、西洋中心主義の軛から脱しようという意気軒高さが窺える。交易路(シルクロード)を抑えた唐や元、清といった王朝が世界帝国となり得たことや政治・経済・軍事各制度の緊密な連動を果たしたイギリスが大英帝国の栄華を誇ったということを確認した。
読了日:07月20日 著者:岡本 隆司
シュメル神話の世界―粘土板に刻まれた最古のロマン (中公新書)の感想
人類最古といわれる都市国家と文明を有したシュメル人が現代に伝えた神話を紐解く。大洪水伝説や楽園の存在など、聖書をはじめとした世界各地に伝わる神話とリンクする要素に事欠かないあたりに興味を唆る。同じ大洪水の物語でも、多神教のシュメル神話では洪水を起こす神と賢者の難を逃れさせた神が別々であったのに対し、旧約聖書では唯一神が洪水を起こすと同時にノアに難を逃れるよう誘導するなどしたという相違点がある。一方で忽然と史上から姿を消したとされるシュメル人の歴史はどこかミステリアスでロマンを感じさせる。
読了日:07月30日 著者:岡田 明子,小林 登志子
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