2020年10月の読書
10月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1898
ナイス数:70
ノーブルウィッチーズ (3) 第506統合戦闘航空団 結成! (角川スニーカー文庫)の感想
軍を舞台にしたスパイ映画あるいは刑事ドラマのような展開は続く。この世界でネウロイと関係ない死者が出るとは思わなんだ。AチームとBチームとの間で緩衝材としての役割を果たすには、那佳は適任としか思えないキャラをしている。そしてのうぶる君も無事お披露目。ロザリー隊長、そのうち胃に穴が開きそう。
読了日:10月27日 著者:南房 秀久
美千代~Femme Fatale~ (リュウコミックス)の感想
昭和レトロ的な絵柄と雰囲気、谷崎潤一郎的なフェティシズムが濃厚だった。魔性の美少女に翻弄されていくうち、その感情が熱狂的な依存と盲目的な崇拝に変質していくあたりすごい。単巻完結のコンパクトな作品だが、起承転結、特に最後のオチが個人的に完璧だった。
読了日:10月18日 著者:森二きゑ
ノーブルウィッチーズ (2) 第506統合戦闘航空団 混戦! (角川スニーカー文庫)の感想
複数の国の軍部の思惑からAチームとBチームに分かれる506ことノーブルウィッチーズというチーム、そして暗躍するスパイの存在がシリーズ内でも異彩を放つ作品に仕上がっている。那佳の重傷を負ってもブレないキャラが作品の据わりを良くしているように思った。
読了日:10月18日 著者:南房 秀久
供述によるとペレイラは… (白水Uブックス―海外小説の誘惑)の感想
舞台は1937年、サラザールを首班とするファシズム政権下のリスボン。冴えない新聞記者ペレイラが反政権運動に身を投じる青年と遭遇し、彼を匿ったことで運命の歯車が徐々に狂いを見せる。リスボンの南国的な気候も相まって、一見自由なようで息苦しさが迫ってくるような描写とペレイラが最後の最後に取った行動が特徴的だった。あと飲食の描写が印象に残った。
読了日:10月15日 著者:アントニオ タブッキ
ノーブルウィッチーズ 第506 統合戦闘航空団 飛翔! (角川スニーカー文庫)の感想
再読。那佳が黒田侯爵家本家の養子のポストに収まるまでのストーリーと、プリン姫もといハインリーケの幼少期の武勇伝が印象深い。
読了日:10月12日 著者:南房 秀久
Xの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)の感想
1932年に刊行された推理小説の古典。シェイクスピアを熱愛する俳優を引退したドルリー・レーンを探偵役とする。二転三転する展開、一見冗長に見えて無駄がなくロジカルな構成、説得力のある推理パートに唸らされた。レーンの推しを語る時のオタクのような熱狂ぶりと観察力の鋭さ、サム警視の人間臭さといったキャラクター描写も割と好き。
読了日:10月08日 著者:エラリー・クイーン
炎上CMでよみとくジェンダー論 (光文社新書)の感想
1975年のハウス食品「私作る人、僕食べる人」から2019年の赤十字献血ポスターまで、ジェンダーの観点から「炎上」したCMの問題点とその根底にあるジェンダー論を説く。「夫は仕事、妻は家庭」という現状追認だけでなく、共働きの世帯が増えているにもかかわらず、家事は主に妻が担当することで負担が偏っている現状がテレビCMなどに発露している問題は根深い。一方できちんと働く女性を応援しているCMを取り沙汰しており、興味深い内容だった。これでもう結婚することになったら家事や子育てを「手伝う」などとは言えない。
読了日:10月04日 著者:瀬地山角
行進子犬に恋文を(5) (百合姫コミックス)の感想
犬童忍と加賀美藤乃、2人の母親の代からの因縁とそこからの解放とその後を描いた最終巻。犬童母の戦死と彼女への思慕の念から「お前が死なせた」と己が娘を呪縛し意中の人の娘を母親に似るよう育てさせた加賀美母の執着心がコンパクトに描かれていた。この時を超えた執着に区切りを付けつつ、改めて関係を築く2人の姿は見ていて晴れやかだ。
読了日:10月02日 著者:玉崎 たま
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